白峰(旧牛首村)のあらまし

 白峰は石川県の南端、霊峰白山の西麓に位置し、東は岐阜県白川村、荘川村、西は福井県勝山市や小松市、北は金沢市、などに隣接し、加賀平野を潤おす手取川の上流にて水源保全に繋がる森林を守りながら、貴重な山村文化を温存してきた人口約1300人の水と緑の豊かな山里です。村の歴史は養老元年(717年)越前の大徳、泰澄大師が白山を開山した時に始まり、牛首村(現在の白山市白峰)の村名もその時の命名と伝えられています。自然、気象条件は日本有数の豪雪地帯であり、ごく最近まで冬期間陸の孤島となった村です。また村域一帯が傾斜地であり耕地が少なく、農耕を生活の糧とする村人にとっては恵まれぬ条件でしたが、その中で自然と共存することの多くを学びました。

白峰

 耕地となる平地が少ない地域で集落を維持して行くことは至難な事であり、必然的に山に依存する生活形態となりました。本村から十数km離れた山奥に出作り小屋を作り、八十八夜の頃家族全員が移り住み雑穀農業・養蚕等を行い、11月中旬に収穫物を持って本村へ帰り12月からは雪の中で村外との交通を断たれたまま豪雪と 戦いながら、じっと春を待つ生活を続けてきました。衣食住すべてが質素な自給自足の生活の繰り返しが、村人に根気と協調性と心豊に自然と共に暮らす知恵を授け、厳しい事柄も乗り越えて山村特有の文化を育ててきました。その一つが牛首紬です。
 白峰の四季折々の自然は雄大です。その大自然を生活相手として、厳しい風雪に耐え抜いた村人の姿にも、密集して建つ豪雪に耐えうる太い用材の頑固な家並み、整然とした神社仏閣の佇まいにも、自然を崇敬した村の「使い捨て」でない真の文化が垣間見られる村です。

  
白峰の沿革
大化の改新645年以降、越前国に属する。
995年 加賀国司富樫氏の配下となる。
一向一揆により本願寺の所領となる。
1580年 織田信長の所領となる。
1661年 越前松平藩の所領となる。
1655年 白山宮修宮をめぐる白山争論の末、1668年白山麓一八ヶ村は天領となる。
明治4年 廃藩置県にて足羽県大野郡に属する。
明治5年 石川県能美郡に編入する。
明治11年 牛首を白峰、嶋を桑島に改称する。
明治22年 町村制実施で白峰村と称する。
明治24年 石川郡に編入する。
平成17年2月 合併により白山市に編入する。
平成24年7月9日 文化庁より重要伝統的建造物群保存地区に選定される。

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